イメージしにくいですよね。
分析の枠組みを決めておくと、効率的に自己分析できるようになりますよ。
第二新卒の転職を成功させるのに欠かせない自己分析。
新卒の就職活動でした自己分析とは異なるところがあるので、やり方を間違っている人や、やり方が分からず困っている人がたくさんいます。
でも、枠組みを決めておくと効率的に自己分析できるようになります。
この記事では、第二新卒で転職を目指す人向けの自己分析のやり方について解説します。
・自己分析の枠組みを知りたい人
・転職活動向けの自己分析のやり方を覚えたい人
第二新卒の転職活動の全手順については別の記事で詳しく解説しています。
第二新卒の転職に役立つ自己分析の「4つの枠組み」
第二新卒の転職は、新卒の就職ともベテランの転職とも少し毛色が違います。
第二新卒というのは「学校を卒業してから1~3年程度で転職する人」で、新社会人とベテランの間にいる存在だからです。
新社会人よりビジネスマナーや常識は備えていますが、フレッシュさはありません。
ベテランより若く伸びしろはありますが、専門的なスキルは持ち合わせていない人がほとんどです。
良くも悪くも中途半端で、「新社会人のフレッシュさ」や「ベテランの専門的なスキル」といった分かりやすいアピールポイントがありません。
そのため、第二新卒として転職を目指す場合、求人を出している企業が「この人材が欲しい」と思えるようなアピールポイントを自己分析で見つける必要があります。
第二新卒で転職を目指す人の自己分析に役立つ枠組みは4つです。
- 自分の希望
- 退職理由
- 志望動機
- 自分の強み
なぜ4つの枠組みが重要なのか。
第二新卒枠の求人を出している企業が最も気になるところで、採用面接で面接官から必ず聞かれるからです。
転職の面接で必ず聞かれる項目というのが5つあります。
- 簡単な自己紹介と経歴の説明
- 今の仕事を辞めて転職したい理由
- 転職したい企業を選んだ理由
- 転職してできること(やりたいこと)
- 応募者が採用担当者に聞きたいこと
採用担当者が重視するのが②、③、④で、これに答えるには「自分の希望」「退職理由」「志望動機」「自分の強み」の4つを明確化しておくことが必要不可欠です。
4つの枠組みで自己分析して自分なりに明確化しておけば、次のような説明をして採用担当者を納得させやすくなります。
- 私は○○を実現したいと考えている(希望)
- しかし、それが現職場では実現できないので退職したい(退職理由)
- 御社なら〇〇を実現できるし(志望動機)
- 知識やスキルを活かして御社に貢献できる(自分の強み)
退職理由はどうしてもネガティブになりがちですが、希望の実現や志望動機に絡めて説明することで印象が薄まり、全体としてポジティブな印象を与えられます。
こうした説明をするには、あらかじめ4つの枠組みで自己分析をしておくことが欠かせません。
自己分析の枠組み:自分の希望
自分の希望とは、職業生活において求めるものです。
- 給料
- 福利厚生
- 権利・権限
- 職場環境の整備
- 部署・業務の希望
こうした内容がパッと思い浮かぶでしょう。
でも、このままでは転職活動には使えません。
成長を軸に整理する
特に重要なのが、業務に関する希望です。
自分が将来やりたい業務を紙に書き出してみましょう。
そこから特にやりたい業務をピックアップし、その業務をやりたい理由や将来的にどう成長していきたいかまで深掘りします。
ポイントは「成長」です。
業務を通して自分が成長したいとアピールすることで、採用担当者の納得が得やすくなります。
その他の希望は掘り下げない
実際のところ、給料、福利厚生、権利・権限、職場環境などを理由に転職を希望する人は多いでしょう。
例えば、「転職して給料を上げたい」、「残業が少ない職場に転職したい」、「パワハラから逃げたい」といった理由で転職する人は少なくありません。
個人の中でも転職理由には優先順位があり、「給料アップ」が1番で「やりたい業務がある」が2番ということもあるでしょう。
でも、第二新卒で転職するために自己分析をするときは、成長を軸にした業務の希望以外はあまり掘り下げる必要はありません。
書類に書いたり採用面接で発言したりすることはないからです。
「給料アップのため」や「残業の少ない職場が良いから」なんて面接で口にするとどうでしょうか。
「給料や残業の希望が叶わなくなれば退職するんじゃないか」と思われてしまい、内定をもらうことは難しいでしょう。
採用面接ではお金や残業の話を出さないという暗黙のルールを破ることもなるので、「社会人としてのマナーがない」と受け取られることもあります。
企業はあなたの希望を重視している
第二新卒で転職を目指す人にありがちなのが、「企業は求人に応募してきた人の希望になんて興味はない」という誤解です。
「私の希望なんて知ったこっちゃなくて、何ができるかを重視している」と思い込んでいる人ってたくさんいます。
でも、違うんです。
第二新卒の求人を出している企業の多くは、あなたの希望を重視しています。
理由は2つあります。
- 希望する部署で仕事をしてもらえば辞めにくいしパフォーマンスも上がる
- 目標がある人は努力して成長する
つまり、あなたの希望を聴くことは企業にもメリットがあるんです。
だから、あなたの希望はじっくり聞いてくれますし、尊重もしてくれます。
もちろん、企業の求める人材とあなたの能力がマッチしている必要がありますが、希望を重視する企業が多いことは間違いありません。
自己分析の枠組み:退職理由
退職理由とは、今の職場を辞める理由です。
退職理由を考えるときのポイントは「自分の成長を妨げる理由だけをピックアップする」ことです。
退職理由を思いつく限り書き出す
まずは、退職理由を思いつくままに全て書き出しましょう。
給料やボーナスが少ないことへの不満、福利厚生の不十分さ、上司のセクハラやパワハラ、希望した部署に配属されなかったことなど何でもOKです。
自分の成長を妨げる理由だけをピックアップする
思いつく限りの退職理由を書き出したら、今度は転職活動で使える理由をピックアップします。
ピックアップするのは、自分の成長を妨げる理由だけです。
例えば、「希望した部署に配属されない」、「資格や知識を活かした仕事をさせてもらえない」などです。
「スキルアップしたいけど、今の職場では希望するスキルを習得できない」という理由でもOKです。
こうした成長を妨げる理由をピックアップすることで、「自分の希望」「志望動機」「自分の強み」に結びつけやすくなります。
今の職場の批判はNG
実際のところ、「残業が多い」、「給料が少ない」といった今の職場への不満が退職の動機になっている人も多いです。
でも、今の職場を批判しても採用担当者には響きません。
「採用したらウチの批判もするのではないか」というネガティブな印象を与えるリスクもあります。
そのため、今の職場の批判は避け、成長を妨げる理由だけに絞っておきましょう。
自己分析の枠組み:志望動機
志望動機とは、転職を希望する理由です。
志望動機の考え方には、「不満から考える方法」と「満足から考える方法」の2つがあります。
不満から考える
今の職場を退職したい理由から考える方法です。
退職理由で書き出したことを見ながら、どんな職場で働きたいのかを考えて書き出します。
- 知識やスキルが活かせる仕事がない→自分の能力を発揮できる職場
- 有給休暇が取りづらい→ワークライフバランスの良い職場
- 単純作業ばかり→創造性のある仕事ができる職場
- 上司が威張っている→上下関係が緩やかな職場
- トップダウンが多い→意見できる職場
このように不満から理想をイメージして書き出すと、志望動機が書きやすくなります。
満足から考える
おそらく、今の職場も不満なことばかりではなく、やりがいを感じる業務があったり、優れた制度が整備されていたりするはずです。
そうした今の職場で満足しているところに着目し、より満足を得られる企業への転職を考える方法もあります。
例えば、新入社員の頃に体験した他部署の仕事が楽しく、部署異動の希望を出したけど実現しなかったので転職したいということが考えられます。
志望動機に優先順位をつける
志望動機を書き出したら優先順位をつけていきます。
例えば次のような感じで番号をつけていきます。
⑤ 上下関係が緩やかな職場
② 自由に意見が言える職場
④ 自分の能力を発揮できる職場
① 創造性のある仕事ができる職場
③ ワークライフバランスの良い職場
ここで決めた志望動機の優先順位は、第二新卒の求人を探すときの指標になります。
また、求人への応募書類に書く内容や面接で話す内容にもかかわってきます。
自己分析の枠組み:自分の強み
自分の強みとは、学生時代や仕事で身につけた知識やスキル、価値観や考え方などです。
3つに分類する
強みを書き出すときは、「経験や知識」、「資格」、「人柄や性格」の3つに分類するとやりやすいです。
- 経験や知識:営業、開発、企画、広報、クレーム対応など
- 資格:危険物取扱者乙種4類、簿記2級、電気工事士1種など
- 人柄や性格:我慢強い、忍耐力がある、調整力がある
人柄や性格は具体的なエピソードとセットで書き出しましょう。
例えば、クレーム対応経験が長く我慢強いなどです。
経験は全て書き出す
大切なのは、少しでも経験があれば全て書き出すことです。
自分の強みで書き出したことは、求人に募集するときに作成する履歴書や職務経歴書に記載する内容のベースになり
ます。
特に職務経歴書は、自分の強みを書き出してアピールできる書面です。
でも、第二新卒の場合は社会人としての経歴が短く書けることが限られています。
そこで、メインの業務に関することだけでなく、他部署の体験など少しでも経験したことは全て書き出してボリュームを増やします。
職務経歴書はA4用紙1~2枚程度にまとめるのが一般的なので、それが埋まるくらいひねり出しましょう。
自分の強みも、実際に書面を書いたり面接を受けたりするときは企業分析と合わせて内容を調整することになります。
完成させるというよりは、思いついたことを書き出して整理することに力を入れましょう。
第二新卒の転職における自己分析のやり方のまとめ
第二新卒で転職を目指すなら自己分析が必要不可欠です。
自己分析には4つの枠組みがあり、枠組みの中で分析することで自分の考えや主張を整理しやすくなります。
- 自分の希望
- 退職理由
- 志望動機
- 自分の強み
自己分析で抽出した内容は、他己分析や企業研究の結果と合わせて面接で重要な役割を果たすので、手を抜かないようにしましょう。
「自己分析なんてしなくても自分の考えは十分に理解できている」と思うかもしれません。
でも、私たちは思っている以上に自分のことを理解できておらず、そのせいで重要な局面で失敗することがあります。
転職は人生の一大イベントなので、十分に準備を整えておくことが大切です。